株式会社三晃空調

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産業設備技術情報

クリーンルーム

クリーンルームとは、室内の浮遊粉塵量を極端に低減し、極めて高い空気清浄度を確保するための施設です。
精密機器の部品不良をなくす為に、製作現場のほこり(粉塵量)を抑える必要性から発達してきた技術ですが、医薬品製造施設、病院手術室、食品工場などさまざまな分野に応用されています。

クリーンルーム施設の用途は次のように分類されます

  • 工業用の微粒子を制御対象とするインダストリアルクリーンルーム(ICR)
  • 生物微粒子を制御対象とするバイオロジカルクリーンルーム(BCR)
  • 危険物質を封じ込めるバイオハザード・ケミカルハザード対策

医薬品製造施設や病院手術室は、バイオロジカルクリーンルームであり、清浄度を高めることで室内を無菌に近い状態にし、感染予防を行います。
また、病原微生物の取り扱いや、抗がん剤・放射性医薬品などの調剤室は、バイオハザード・ケミカルハザード対応とし、毒性の高い粒子を捕集と排気処理(排気の清浄度確保)を行い、人および自然界への危険(ハザード)を防止します。

清浄な空間を形成する方法は、空気の循環回数を増やし、ろ過するフィルターにHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターやULPA(Ultra Low Penetration Air Filter)フィルターを使います。
また室内への粉塵の侵入を防ぐために、出入口にエアシャワーを設置し、物品の持込用にパスボックスを設置します。さらに、内部の作業域を局所的にクリーン度を上げるために、クリーンベンチやクリーンブースを使います。

クリーンルームの清浄度基準(クラス)は、米国連邦規格(Fed.Std.209E)、日本工業規格(JIS B 9920)、ISO規格(ISO14644-1)などがあり、いずれも単位体積当たりに対象粒径の粒子濃度(粒子の数)により分類されます。

三晃空調では…

三晃空調では、医薬品製造施設・手術室・動物実験施設を中心に、さまざまなクリーンルームを提供しております。

医薬品製造施設

医薬品は、私たちの健康と生命維持のためになくてはならないものとなっています。それらは、経口剤や注射剤・点滴剤等、さまざまな形状を持ち、多様な製造工程を必要とします。製造工程における品質管理は、製品の安全性に直結します。
従って、医薬品の製造には、薬事法にGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)が設けられ、原料の受入から最終製品の出荷まで製造者が守るべき要件が定められています。

製薬工場の計画においては、製薬の各工程によって最適な環境が異なるため、温湿度・清浄度を微妙に変える必要があります。
特に、原料粉体から最終錠剤に至る製造工程では、各所での粉塵用局所排気及び打錠工程における不良率低減のための湿度管理が重要となります。
そのほか、清浄度が高い室への汚染空気流入(クロスコンタミネーション)を防止するために、室間差圧を確保する必要があります。
しかし、扉の開閉や一時的な換気などにより室圧バランスが崩れることがあり、室間差圧の動的制御が求められています。
このため三晃空調では、室圧やドア開閉等のセンシングと、ファンインバーターやダンパ開度等のコントロールを行う、室圧制御システムを開発し、クロスコンタミネーションの防止と省エネルギー化に取り組んでいます。

三晃空調では…

豊富な施工実績を基に、粉体から錠剤に至る粉体処理・製造工程のノウハウや、各種製剤工程の注意するべきポイント、そしてGMPの規定には記載されていない事項等も加味することで、よりよい医薬品製造施設の空調設備を提供いたします。

バリデーション

「バリデーション」 は、医薬品の製造工場における製造管理および品質管理に関する用語で、厚生労働省GMPでは、次のように定義しています。

「バリデーションは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることによって、目的とする品質に適合する医薬品を恒常的に製造できるようにすること」

バリデーションは医薬品の製造許可には必須のものであり、日本では J-GMP、海外輸出品では、FDA、WHO-GMP等に適合したバリデーションが必要となります。

この基準では、「製造を支援するシステム」 として、製造用水供給システム及び空調処理システムが規定されています。
空調システムでは、医薬品の製造に最適な空調条件を規定し、その条件を維持することで、目標とする品質の医薬品を製造し、その結果を文書化して保管する事が要求されます。
最近では、制御機器を含むシステムのオープン化に伴い、コンピュータバリデーションの導入による計測・記録・保管の省力化の動きも出てきています。

次のような各段階で、適格性(妥当性)の確認が必要とされています。

DQ
設計時適格性確認
C
計測機器の校正
IQ
据付時適格性確認
PQ
稼動性能適格性確認
OQ
運転時適格性確認

三晃空調では…

医薬品製造施設の豊富な施工実績を基に、バリデーション責任者や製造責任者と詳細な確認を行い、設計、施工、各段階で、医薬品のGMP申請を念頭に置いた検証を実施し、製造許可申請を強力にバックアップ致します。